Yamashiro Art Project Vol. 6
Yamashiro Art Project Vol. 6
没後30年木下佳通代 〜 展示をより味わうために 〜
解説 : 担当学芸員 大下裕司
5月25日から8月18日まで、大阪中之島美術館で「没後30年木下佳通代」が開催されています。今回は、この展覧会をより楽しむために、企画を担当された学芸員の大下先生に、木下佳通代とその作品について分かりやすく解説していただきます。
すでに展示を見た方もこれからの方も、より作品についての理解を深めていただけるでしょう。また、現代美術に馴染みのない方も、この展示と解説をきっかけにして、新たな世界を切り開いていただけましたら幸いです。
木下佳通代 1987年 撮影者不詳
木下佳通代(きのした・かずよ)
1939年 : 神戸市長田区生まれ。中学・高校は親和学園(神戸市)に通う。
1958年 : 京都市立美術大学(現 京都市立芸術大学)に入学し黒田重太郎や須田国太郎に師事。
1962年 : 大学卒業後、神戸市立丸山中学校、親和学園などで美術教師を務める。
1965年ごろ : 河口龍夫、奥田善巳らのグループ〈位〉と共に活動する。
70年代前半 : ギャラリー16(京都)、村松画廊(東京)で定期的に個展を開催した。
1977年 : 第13回現代日本美術展兵庫県立近代美術館賞を受賞。
1981年 : 彫刻家・植松奎二の紹介でハイデルベルク・クンストフェライン(ドイツ)で個展を開催。
1982年 : 第11回ブルーメール賞 美術部門を受賞。突如としてこれまでの作風を捨て、抽象絵画の制作
を開始。
1990年 : がんの宣告を受けて闘病生活に入る。治療法を求めてロサンゼルスを度々訪問。現地でも制作
を行った。
1994年 : 神戸にて55歳で没する。
大下裕司(おおした・ゆうじ)
1987年、神奈川県出身。森美術館学芸アシスタント、横浜美術館学芸員などを経て、2018年より大阪中之島美術館学芸員。専門は近現代美術史、先住民族文化など。主な企画に「展覧会 岡本太郎」(2022年、大阪中之島美術館)など。